(3)離婚原因
(ハ)精神病
-
妻がうつ病であることを理由として離婚できるのでしょうか、または重度のアルツハイマー病(または老人性痴呆)にかかった場合はどうでしょうか
-
-
離婚原因について
裁判訴訟においては、離婚原因が存することが必要であり、また、訴訟を考えての調停の申立てにおいては、離婚原因をその理由として申立てをすることになります。
そして、その離婚原因の一つとして、民法は配偶者が回復見込みのない強度の精神病にかかった場合を規定しています。
(離婚実務マニュアルhttp://free.ac-lib.jp/category9/category23/index1298.html)
-
回復見込みのない強度の精神病について
強度の精神病とは、精神病のため夫婦関係が破綻してしまう程のものをいい、回復見込みがないとは、不治の病であること、すなわち、今後夫婦関係が修復される可能性のない場合をいいます。回復見込みのない強度の精神病であるか否かは、最終的には裁判官が判断し、統合失調症(精神分裂症)などは、回復見込みのない強度の精神病と認められることが多くなっています。
それに対して、アルツハイマー病(老人性痴呆)は、回復見込みのない強度の精神病と認められず、うつ病も回復見込みがあるため認められません。
裁判官が、回復見込みのない強度の精神病であるとの判断することが困難であるとの性質上、判断は厳格であります。さらに、回復見込みのない強度の精神病であると認められた場合であっても、精神病者の生活費や診療費、引き受け先等が確保されている場合でなければ、婚姻を継続することが相当であると裁判所が判断し裁量的離婚請求の棄却がなされやすいとの事情もあるため、回復見込みのない強度の精神病を離婚原因としての離婚が認められる場合は限定的であり難しくなっています。
-
他の方法
回復見込みのない強度の精神病と認められないアルツハイマー等の精神病であっても、その者の暴力等のその他の事情を合わせることにより、婚姻を継続し難い重大な事由がある場合として離婚原因が認められることがあります。