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離婚の基礎知識

(5) 離婚すると氏(苗字)や戸籍はどうなりますか

例として、鈴木さんが田中さんと結婚して田中姓を名乗ったあと離婚したケースを考えてみましょう。
鈴木さんが田中さんと結婚して田中姓を名乗ったあと離婚した場合、離婚した旧姓・鈴木さんは、田中の氏を継続して使用することができますし(これを“婚氏続称”といっています)、鈴木の氏に戻ることもできます。
最近は、旧姓に戻ると、運転免許証や年金手帳、預金通帳、各種保険証書など、公的・私的な書類などの名義を書き換えなければならないこともあり、また離婚したことが周りにわかってしまいやすいことなどから、婚氏続称の方法をとることが多いようです。
もし旧姓・鈴木さんが離婚した場合、離婚の届出だけを出すと、民法の原則は旧姓に戻るとなっています。この場合は、旧姓の鈴木に戻ってもとの戸籍に入る(復籍)することになるのが原則です。但し、旧姓で新戸籍を作ることもできます。
それで、もし結婚中の田中姓を使い続けるとすれば、使い続けることの届出が必要です。この届出をするには、別れた元配偶者の同意などは要りません。旧姓・鈴木さんの意思だけでできます。
この届出のことは、戸籍法77条の2に規定されていますので、実務上は戸籍法77条の2の届出などといわれています。
この戸籍法77条の2の届出は、離婚の届出と一緒に出すこともできます。この場合は、旧姓・鈴木さんについて田中の氏で新しい戸籍が作られます。
また戸籍法77条の2の届出は、離婚の際一たん旧姓の鈴木に戻ったとしても、離婚から3か月以内なら届出をすることができます。この場合、離婚の際には鈴木に戻っていますが、田中姓となります。その場合には、田中姓の戸籍に更正するか(鈴木さんが筆頭者で一人だけの戸籍であった場合)、離婚に際して鈴木姓に戻ったときの戸籍で鈴木さんが筆頭者でない場合(例えば親の戸籍に戻ったとき)などには、新たに田中姓の戸籍を作ることになります。
子供は、氏を同じくする親の戸籍に入ることになりますが、婚氏続称しても、つまり例えば鈴木さんが母親であるとして、子の親権者となるとともに田中姓をそのまま使うことにしても、何も手続をしないと、子供は父である田中さんの戸籍に入ったままとなります。子供を母の戸籍に入れようとすると、子の氏の変更という手続が必要です。これらについては、「親権・監護権」の子の氏の変更のところを参考にして下さい。