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慰謝料

(4) 不貞(不倫)の相手方に対する慰謝料請求について

例えば夫が不倫をした場合、夫と、夫に妻がいることを知りながら夫の相手となった女性とは、妻に対して共同して不法行為をしたことになります。ですから、この2人(夫とその相手)は、どちらも妻に対して責任を負うことになります。
そして、この例では、妻は、夫一人に対しても、相手の女性一人に対しても、また夫と女性の2人を相手方としてでも、慰謝料請求が原則として可能です。
ただし、2人を相手方としたとしても、慰謝料が2倍取れるわけではなく、請求できる総額は変わりません。
夫に不貞行為はあったものの、夫婦関係が壊れるに至らなかった場合でも、妻から夫の不貞の相手の女性に対する慰謝料請求について50万円が認められた例もあります(東京地裁平成4年12月10日判決)。
もっとも、夫婦関係が既に壊れてしまっていた場合、その後に夫婦の一方の不倫の相手方となった者(例えば夫の相手となった女性)は、この例でいえば妻に対して不法行為責任を負わない、つまり慰謝料は支払わなくてよいとした判例があります(最判平成8年3月26日)。
このような判例がありますので、実務では、不倫の相手方から、不倫をしたのは既に家庭が壊れてからのことなので責任はないというような主張がされることがありますが、言い逃れのためにそのような主張をする例もあり、裁判所が家庭が壊れてからと判断するかどうか、結局裁判所の事実の見方によるということになります。